約 7,633 件
https://w.atwiki.jp/sangaku/pages/13.html
INDEX 奉納年月 奉納者 区分 奉納場所保管場所 備考 03001 元文6年(1741)2月 岩崎清右エ門秋房 岩手県胆沢郡金ヶ崎町達小路(不詳) 八幡神社(不動尊)岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 県指定文化財 03002 寛保3年(1743)4月 宇夫長三郎幸治 岩手県遠野市宮守町上鱒沢18地割79番地2 鞍迫観音堂岩手県遠野市宮守町上鱒沢18地割 白山神社 県指定文化財 03003 文化5年(1808)4月 菊池如好 岩手県遠野市綾織町下綾織31地割37-38 駒形神社 03004 文政5年(1822)3月 菊地東雄門人他5名 岩手県一関市川崎町薄衣諏訪前2-1 浪分神社 03005 文政7年(1824)3月 菊地東雄門人他5名 岩手県一関市藤沢町黄海熊館(不詳) 岡田太子堂 03006 文政10年(1827)7月18日 千葉胤秀門人12名 岩手県大船渡市猪川町字久名畑18 稲子沢雨宝堂岩手県奥州市江刺区岩谷堂小名丸102-1 えさし郷土文化館 市指定文化財 03007 文政10年(1827)7月18日 千葉胤秀門人12名 岩手県大船渡市猪川町字久名畑18 稲子沢雨宝堂岩手県奥州市江刺区岩谷堂小名丸102-1 えさし郷土文化館 市指定文化財 03008 文政13年(1830)春 高橋精九郎秀信門人他3名 岩手県一関市花泉町花泉東鹿野46 天満社 03009 天保2年(1831)3月 安倍貞治保定門人他5名 岩手県一関市赤荻宿12 観音寺 市指定文化財 03010 天保2年(1831)3月 庄治 岩手県一関市千厩町小梨新地269 滝口神社 03011 天保2年(1831)弥生 千葉善作他 岩手県奥州市江刺区広瀬字谷地田77 新山神社個人蔵 03012 天保5年(1834)12月 千葉織之助胤英 復元 岩手県一関市上大槻街(不詳) 一関神明社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03013 天保5年(1834)12月 千葉織之助胤英 復元 岩手県一関市上大槻街(不詳) 一関神明社 03014 天保9年(1838)12月 千葉織之胤英門人安部貞治保定他11名 復元 岩手県一関市釣山19 八幡神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03015 天保9年(1838)12月 千葉織之胤英他9名 復元 岩手県一関市釣山19 八幡神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03016 天保9年(1838)3月 千葉織之助胤英 復元 岩手県一関市萩荘字芦ノ口286 吾勝神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03017 天保9年(1838)閏4月 菊地楽明 岩手県奥州市江刺区広瀬沢71 松林寺子安地蔵堂個人蔵 03018 天保12年(1841)8月 千葉胤道門人10名 岩手県大船渡市盛町舘下 根城八幡宮個人(当社別当)蔵? 03019 天保12年(1841)9月 千葉武左衛門胤直門人11名 岩手県陸前高田市小友町上の坊52 常膳寺個人蔵 03020 天保12年(1841) 千葉胤道門人10名 岩手県大船渡市盛町舘下 根城八幡宮 03021 天保13年(1842)12月 千葉武左衛門胤直門人11名 岩手県陸前高田市小友町上の坊52 常膳寺個人蔵 03022 天保13年(1842)9月 伊東裕春門人5名 岩手県一関市藤沢町黄海本沢135 葉山神社 03023 天保15年(1844)3月 千葉胤英門人他 岩手県一関市川崎町薄衣諏訪前2-1 浪分神社 03024 天保15年(1844)6月 千葉胤秀門人井上常平利康他2名 岩手県一関市花泉町涌津台90 八雲神社 03025 弘化2年(1845)10月 安倍保定門人13名 岩手県奥州市水沢区佐倉河宮ノ内11 鎮守府八幡宮 03026 弘化2年(1845)4月 千葉胤秀門人他 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 中尊寺 阿弥陀堂 03027 弘化2年(1845)9月 菅原市左衛門実春門人6名 岩手県一関市弥栄内ノ目161 日吉神社 03028 弘化3年(1846)6月 菊地長右衛門義方 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛19-82 早池峰神社岩手県遠野市東舘町3-9 遠野市立博物館 03029 弘化3年(1846)8月 佐藤直勝門人6名他 岩手県一関市萩荘八幡152 達古袋八幡神社個人蔵 03030 弘化3年(1846)8月 佐藤長蔵直勝門人7名 岩手県一関市萩荘八幡152 達古袋八幡神社個人蔵 03031 弘化3年(1846)9月 千葉倉松胤雪門人13名 岩手県一関市滝沢寺田下108 熊野白山滝神社 03032 弘化4年(1847)3月 千葉治三郎胤定門人3名 岩手県一関市萩荘要害234 春日神社 03033 弘化4年(1847)6月 伊藤裕春次男崑野千代佐好文 岩手県一関市藤沢町黄海熊館(不詳) 岡田太子堂岩手県一関市藤沢町徳田字金山沢69 八幡神社 03034 弘化4年(1847)春 佐藤長蔵直勝門人 岩手県一関市赤荻宿12 観音寺 03036 弘化5年(1848)3月 松本常蔵他 岩手県奥州市江刺区玉里玉崎498 玉崎駒形神社 03037 嘉永元年(1848) 図森大八郎一道門人4名 岩手県花巻市仲町12-31 延寿寺観音堂 03038 嘉永2年(1849)11月 菊地順次郎門人大工喜代松他3名 岩手県紫波郡紫波町二日町御堂前46 木宮神社 03039 嘉永2年(1849)4月 安倍勘司保円 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 中尊寺 地蔵院不詳(地蔵堂になし) 03040 嘉永3年(1850)2月 千葉胤雪門人 岩手県一関市舞川原沢90 菅原神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03041 嘉永3年(1850)2月 千葉胤雪門人 岩手県一関市舞川原沢90 菅原神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03042 嘉永3年(1850)6月 千葉雄七胤秀門人 岩手県一関市花泉町油島字猪岡西27 八雲神社 03043 嘉永3年(1850)7月10日 (関流)藤葉軒数重門人 岩手県花巻市太田第21地割5-1 清水寺 03044 嘉永5年(1852)9月 佐藤武済門人 岩手県一関市山目館56 配志和神社 03045 嘉永6年(1853)4月 佐々木萬歳 岩手県大船渡市三陸町綾里小石浜99-1 八幡神社 03046 安政2年(1855) 岩手県 (不詳)岩手県奥州市胆沢区南都田加賀谷地1-1 胆沢郷土資料館 市指定文化財 03047 安政6年(1859)9月 小野寺周蔵秀充 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 中尊寺 地蔵院不詳(地蔵堂になし) 03048 文久元年(1861)3月 菅原市左衛門実春 岩手県一関市滝沢寺田下108 熊野白山滝神社 03108 文久2年(1862) 及川啓蔵? 岩手県北上市下鬼柳7地割171番地 白髭神社 市指定文化財 03049 元治2年(1865)3月 国分伝右衛門門人 岩手県一関市藤沢町藤沢早道118-1 竹駒神社 03050 元治2年(1865)3月 国分伝右衛門門人 岩手県一関市藤沢町藤沢道場11 藤勢寺 薬師堂 03051 慶応元年(1865)9月 千葉倉松胤雪門人等 岩手県一関市花泉町金沢大門沢77 大門神社 03052 慶応2年(1866)3月 菅原甚蔵実員門人等 岩手県一関市花泉町金沢大門沢77 大門神社 03053 慶応2年(1866)3月 菅原勘五郎実良門人 岩手県一関市弥栄(不詳) 白山神社 03054 慶応2年(1866)7月 八重樫重右衛門他10名 岩手県花巻市北笹間7地割71 東光寺 03055 慶応2年(1866)8月 菅原甚蔵実員門人 岩手県一関市花泉町金沢字要害25 飯倉八幡神社 03056 慶応2年(1866)9月 千葉胤英門人 岩手県一関市三関白崎78 白山神社 03057 慶応4年(1868) 菊地宇太之丞長良門人 岩手県陸前高田市気仙町裏1 今泉諏訪神社宮司宅保管 03109 明治2年(1869)3月 佐藤弥一郎布信 (不詳)個人蔵 03058 明治2年(1869)9月 菊地三之助盛常門人 岩手県一関市藤沢町大籠下野在家48 神明社 03059 明治3年(1870)9月 蜂谷珊左衛門寿要門人 岩手県一関市花泉町花泉東鹿野46 天満社 03060 明治5年(1872)8月 千葉倉松胤雪章門人 岩手県一関市真柴字境田11(?) 八幡神社 03061 明治8年(1875)5月 千葉倉松胤雪門人 岩手県一関市滝沢寺田下108 熊野白山滝神社 03062 明治11年(1878)3月 鈴木訓一門人 岩手県奥州市前沢区生母字二子1(?) 月山神社 03063 明治12年(1879)8月 鷹觜平次郎門人 岩手県紫波郡矢巾町岩清水第4地割77 龍泉寺 03064 明治13年(1880)10月 稲辺三津次郎恒英門人 岩手県一関市花泉町金沢大門沢77 大門神社 03065 明治13年(1880)10月 千葉倉松胤雪門人 岩手県一関市滝沢寺田下108 熊野白山滝神社 03107 明治15年(1882) 岩沢禮太郎・斎藤登代治 岩手県北上市黒岩7地割136番地 白山神社 市指定文化財 03066 明治16年(1883)9月 佐々木安之助義信門人 岩手県一関市弥栄字寺町7 熊野神社個人蔵 03067 明治16年(1883) 加藤広清門人 岩手県一関市室根町折壁字天王前47(?) 彌榮神社岩手県盛岡市上田字松屋敷34 岩手県立博物館 03068 明治17年(1884)2月 小山忠平梅盛 岩手県一関市川崎町門崎宮畑1 伊吹神社 03069 明治18年(1885)11月 及川磨 岩手県奥州市胆沢区南都田化粧坂 久須志神社 薬師堂個人蔵 市指定文化財 03070 明治18年(1885)9月 佐藤良左衛門能静門人 岩手県一関市弥栄内ノ目161 日吉神社 03071 明治20年(1887)7月 佐々木俊治義信門人 岩手県一関市弥栄沼畑96 長安寺 03072 明治20年(1887)8月 千葉倉松胤雪門人 岩手県一関市真柴字境田11(?) 八幡神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03073 明治22年(1889)3月 佐藤弥一郎布信 岩手県一関市真柴 (不詳)岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03074 明治22年(1889)6月 千葉文治正精他1名 岩手県一関市花泉町花泉天王沢93 八雲神社 03075 明治23年(1890)6月 加藤広清門人 岩手県一関市藤沢町西口十文字177 八阪神社 03076 明治25年(1892)9月 千葉六郎胤規門人 岩手県花巻市太田第21地割5-1 清水寺 03077 明治26年(1893)3月 菅原卯作実重門人 岩手県一関市花泉町金沢大門沢77 大門神社 03078 明治26年(1893)3月 佐藤南錦門人 岩手県一関市藤沢町保呂羽字二本柳213 保呂羽神社個人蔵 03079 明治26年(1893)3月 佐々木逓作門人 岩手県陸前高田市小友町谷地館157 八幡神社 03080 明治29年(1896)4月 稲辺三津次郎恒英門人 岩手県一関市花泉町金沢大柳54 金沢八幡宮岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03081 明治31年(1898)10月 菅原勘吉胤定門人5名 岩手県一関市滝沢寺田下108 熊野白山滝神社 03082 明治32年(1899)10月 加藤広清門人4名 岩手県一関市室根町折壁屋中21-1 室根神社 市指定文化財 03083 明治33年(1900)3月 稲辺磐開門人4名 岩手県一関市花泉町金沢大門沢77 大門神社 03084 明治33年(1900)9月 佐藤佑良門人千葉亀之助 岩手県一関市千厩町清田字林崎93 熊野神社 03085 明治34年(1901)11月 小野寺甚七定家門人15名 岩手県一関市舞川竜ケ沢7 観福寺 03086 明治34年(1901)11月 小野寺甚七定家門人15名 岩手県一関市舞川竜ケ沢7 観福寺 03087 明治35年(1902)9月 渡辺甚蔵哲明 岩手県一関市舞川原沢90 菅原神社 03088 明治35年(1902)元旦 千葉六郎胤規閲葛西久兵衛 岩手県一関市川崎町薄衣諏訪前2-1 浪分神社 03089 明治37年(1904)10月 千葉六郎胤規門人 岩手県一関市中里荒谷79 熊野神社 03090 明治38年(1905)3月 菊地重三郎他2名 岩手県一関市川崎町薄衣諏訪前2-1 浪分神社 03091 明治41年(1908)3月 佐藤弥右衛門門人3名 岩手県一関市厳美町駒形8 駒形根神社 03092 明治43年(1910)4月 鈴木訓一門人 岩手県奥州市前沢区生母字箱根(不詳) 金刀比羅神社 03093 明治43年(1910)4月 鈴木訓一門人 岩手県奥州市前沢区生母字二子1(?) 月山神社 03094 大正3年(1914)3月 菅原実正門人7名 岩手県一関市萩荘中大桑213 三嶋神社 03095 大正7年(1918)正月 佐藤長太夫門人 岩手県一関市花泉町花泉字上館79 八幡神社 03096 大正10年(1921)7月 菅原運作徳資 岩手県奥州市水沢区羽田町御山下431 出羽神社 03097 大正11年(1922)9月 小野寺宝一郎 岩手県一関市川崎町薄衣畑の沢198 安養寺 03099 昭和4年(1929)7月 西村実孝門人2名 岩手県一関市室根町矢越鳥矢森202 弥栄神社 03100 昭和6年(1931) 小野寺正蔵 岩手県一関市千厩町磐清水古舘14 新浪神社個人蔵 03101 昭和50年(1975)3月 鈴木訓一門人 抜粋復元 岩手県奥州市前沢区生母字二子1(?) 月山神社 03102 昭和52年(1977)9月 松田正雪 岩手県胆沢郡金ケ崎町三ヶ尻渋川堤下63 日吉神社 03103 平成7年(1990) 岩手県遠野市綾織町下綾織31地割37-38 駒形神社 03104 不明 金田栄左衛門門人小山俊治儀信 岩手県一関市川崎町薄衣(不詳) 烏森神社岩手県一関市厳美町沖野々215 一関市博物館 03105 不明 千葉倉松胤雪門人他 岩手県一関市真柴字境田11(?) 八幡神社 03106 不明大正13年(1924)? 金田栄左衛門源儀孝門人 岩手県一関市川崎町薄衣諏訪前2-1 浪分神社 ※03035・03098は欠番、03107~03109は連番となっていない。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/1869.html
地獄少女・閻魔あいが、依頼者に藁人形を渡す。 あい「あとは、あなたが決めることよ」 雨の夜の住宅街。 1台のオートバイがスリップし、転倒する。 目の前には地蔵堂が迫る。 事故を起こしたオートバイのそばに、壊れた地蔵の頭が転がっている。 運転手の青年、茂木達也の葬儀。 父の博之、妹の恵美が、参列者たちに挨拶している。 母の和子が泣き崩れている。 和子「あなたのせいよ! あなたが達也にオートバイなんか、買わなければ」 博之「……こんなところで、何言ってるんだ!?」 和子「あなたのせいよ……」 博之「お前が『達也が欲しがってるから、買ってやれ』って……」 和子「言ってないわよ、そんなこと! 私のせいにする気!?」 博之「お、俺は反対だったんだ!」 恵美「やめてよ、2人とも」 和子「達也…… 達也ぁ……」 絆 後日、茂木家の夜。 恵美「お母さん」 恵美が和子の部屋を覗くと、和子は真っ暗な中、パソコンに向かっている。 恵美「お母さん。ご飯、できたよ」 和子は自身で立ち上げたホームページ『息子は何故死んだのか』で、生前の達也を紹介し、達也の事故の理不尽さを必死に訴えている。 恵美が食卓に降りると、博之がビールを煽っている。 博之「やっぱり、駄目か?」 恵美「ホームページの更新してる。お父さんは、まだいい?」 博之「いや。もう、食べるよ」 恵美「そう」 博之「せっかく、恵美が作ってくれたのになぁ」 恵美「お母さん、お兄ちゃんのことで頭が一杯だもん」 博之「もう、四十九日も過ぎたっていうのに……」 恵美「……仕方ないよ」 23時近く、和子が外出しようとしている。 恵美「今日も行くの? 雨だよ、お母さん」 和子は答えずに、玄関を出る。 博之「またか?」 恵美「うん……」 博之「毎晩毎晩、達也が事故に遭った時間に現場へ行って、何の意味があるっていうんだ……」 雨の中。 事故現場の地蔵堂は、地蔵の頭が壊れたまま。 地蔵堂を見つめる和子に、恵美が傘を差し出す。 和子「どうして…… 達也……」 恵美「風邪ひいちゃうよ。帰ろ」 恵美が帰宅する。 自室の机の引き出しに、地獄通信の藁人形がある。 声「どうするつもり」 恵美「誰!?」 地獄少女・閻魔あい。 恵美「地獄少女……!? じゃあこれ、やっぱりお兄ちゃんが?」 あい「そうよ。それは私が、あなたのお兄さんに渡した物。その赤い糸を解けば、私と正式に契約を交わしたことになる。怨みの相手は、速やかに地獄へ流されるわ。ただし、怨みを晴らしたら、代償を支払ってもらう。人を呪わば穴二つ。契約を交したら、その人の魂も地獄へ堕ちる── 死んだ後の話だけど。契約はまだ、果たされていない」 恵美「お兄ちゃん、誰を? 誰を地獄に流そうとしたの?」 あい「わかっているはずよ」 恵美「……これ、私でも使えるの?」 あいが姿を消す。 後日。市役所から出てきた和子と恵美に、記者陣が群がる。 記者たち「来た!」「茂木さん、いかがでした!?」「息子さんの事故について、市から何らかの回答がありましたか?」 和子「いえ……」 記者たち「明確な答は無かったんですね!?」「市の対応について、どうお考えですか?」「市がちゃんと、道路の整備に取り組んでいれば、息子さんがこのような事故に遭うことは無かったと、思われますか?」「茂木さん、いかがですか?」 恵美「あの、すみません、通してください」 記者「どうなんですか、茂木さん?」 恵美「あの……」 記者「自己は息子さんの過失という話もありますが?」 和子「達也は悪くありません! 道路のせいです! 達也は殺されたんです……」 泣き出す母に、フラッシュが焚かれる。 恵美「お母さん……」 記者「妹さんはいかがですか? やはりお兄さんは、殺されたと思いますか?」 恵美「お願いです、通してください」 記者たち「待って!」「妹さん、答を聞かせてください! あなたもお母さんと同じ気持ちなんですか?」「どうなんですか!?」「妹さん!」 恵美「通してください、通してください!」 記者陣から逃れた和子と恵美が、公園のベンチに掛けている。 恵美「私、午後は学校に行くね。ちょっと休み過ぎちゃってるし。陸上部の仲間も心配してるから」 恵美が和子に、サンドイッチを差し出す。 恵美「はい。少し、食べた方がいいよ」 達也と同じ年頃の青年たちが通りかかる。和子が立ち上がる。 恵美「……お母さん?」 和子「達也!」 恵美「違うよ、お母さん。あれはお兄ちゃんじゃなくて」 和子「達也ぁ!」 恵美「お母さん!? お母さん、お母さんってば!」 青年たちに駆け寄ろうとする和子を、恵美が必死に追う。 学校。恵美が陸上部の練習で、高跳びを決める。 そこへ、取材記者に扮した一目連が現れる。 一目連「ナイス・ジャンプ! こんにちは。こういう者ですが」 一目連は「石元」を名乗る名刺を出す。 恵美は学校を終え、一目連を無視するように帰宅路につく。 一目連「待ってよ、恵美ちゃんってば!」 恵美「私、お話しするようなことはありませんから」 一目連「いやぁ、ちょっと待ってよ」 恵美「しつこいと、警察呼びますよ!」 『達也は殺されたんです!』 傍らの電気店。 テレビの報道番組で、和子を捉えた映像が流れている。 『問題のカーブは見通しが悪く、以前にも車や自転車の接触事故が起きていたということなんですね』 『それで今回は、不運にも死亡事故が起きてしまったと』 『そうなんです』 『それは、この『魔のカーブ』を市が放置したせいであると、茂木さんは訴えているわけですね』 『はい。しかし、市からは今もって、きちんとした誠意のある対応は為されていないんです』 『茂木さんとしては、やりきれませんね』 和子『達也は、どれほど無念だったか…… 怨んでも、怨みきれません……』 一目連「一昔前なら、神社で五寸釘ってとこかな。『我が子の怨みを思い知れ』って」 恵美「母にとっては、兄がすべてでしたから」 一目連「えっ?」 恵美「失礼します」 恵美が立ち去る。そこに骨女も、顔を出す。 骨女「取材記者ってのは、失敗だったね」 一目連「骨女……」 後日の茂木家。博之が凧を作っている。 恵美「大丈夫?」 博之「ん? 何が?」 恵美「う、うぅん。相変らず、上手だね」 博之「ハハ、唯一の趣味だからな」 恵美「昔は、皆でよく河原に行ったよね」 恵美の幼い頃の回想。 父の作った凧を、兄妹で上げる。その様子を両親が、微笑ましく見守る。 遊んだ後は、ピクニックシートを広げて、一家4人で楽しく食事── 博之「楽しかったなぁ、あの頃は」 恵美「うん……」 和子が現れる。 和子「お父さん。このチラシ、すぐにコピーしてきて。300枚ね」 博之「あぁ、行ってくるよ」 博之はチラシを受けとり、また凧を手にする。 和子「何やってるの!? 急いでって言ってるでしょ!!」 和子が博之の凧を奪い、クシャクシャに潰す。 和子「呑気にこんな物、作って!!」 恵美「お母さん!?」 和子「お父さんは達也のことなんか、どうでもいいと思ってるんでしょう!?」 博之「そんなことないよ」 和子「これじゃ達也も浮かばれないわ……」 博之「これ、達也が好きだったからさ」 和子「そんな物、好きじゃないわよ! 全部捨てちゃいなさい!!」 和子が立ち去る。 恵美「お父さん……」 博之「お母さんも、辛いんだよ」 恵美「うん、わかってる……」 あいの住む、夕暮れの里。 咲き乱れる花の一つを、あいが手にして咥え、蜜を吸う。 きくり「美味しい?」 あい「……」 きくり「ねぇ! それがいい」 あいの手にした花を、きくりが奪い、口に咥える。 きくり「不味い……」 後日の茂木家。電話が鳴る。 和子「はい。──えっ、道路整備が!?」 和子が嬉しそうに、恵美に話す。 和子「市が道路整備に乗り出すんですって! 今、電話があったの! 良かったわぁ~、頑張った甲斐があった! ねぇ、恵美?」 恵美「えっ? う、うん」 和子「明日、記者会見ですって。あっ、そうだ! ホームページで報告しないと」 恵美「お母さん……!」 恵美がほっとした様子で、博之のもとへ。 恵美「お父さん!」 博之「あぁ」 骨女「糸を解かずに、済んだようだね」 一目連「あぁ……」 骨女「何だい? 浮かない顔して」 一目連「いや、別に」 そして記者会見の会場。 大勢の記者陣、恵美、達也の遺影を抱いた和子が、会見のときを待つ。 恵美「お母さん。今日の夜、レストラン予約したんだよ」 和子「……え?」 恵美「レストラン。お父さんと3人で、ご飯食べようね」 和子「あ、そう…… わかったわ」 広報部長が現れ、記者会見が行われる。 部長「──以上の道路状況を鑑みまして、北通りの道路拡張工事、並びに周辺の整備をこのたび実施することにいたしました。市といたしましては、これまでも住民の皆様の安全に十分配慮をしてまいりましたが、より良い町作りのため、さらなる向上を目指し、今回の道路整備に踏み切りました」 記者「ちょっと待ってください! 道路に問題は無かったというんですか!? 市に責任は無かったと!?」 部長「責任ということに関しましては、聞いておりません」 記者「では、茂木達也さんの事故については、どうお考えですか?」 和子の顔が強張り、遺影を手にした手が震える。 部長「事故に関しましては、警察の担当になりますので、こちらからお話しするようなことは、特に……」 今にも怒鳴り声を上げそうな和子を、恵美が必死になだめる。 部長「他にご質問が無ければ、これで」 記者たち「あぁっ、ちょっと待ってください!」「おかしいでしょ、それ!?」「逃げるんですか!? 市の対応として、それでいいんですか!?」「市長が工事会社と癒着しているとの噂もありますが!?」「南町のごみ処理場に無断で産廃が持ち込まれたという噂をご存じですか!?」「部長! 部長、待ってください!」 会見場を去る広報部長を、記者たちが追ってゆく。 和子と恵美が、タクシーで帰途に就く。 恵美「問題の道路は改善されるんだし、お母さん、頑張った甲斐あったね! これで事故も無くなるよ。お兄ちゃんもきっと、天国で──」 和子は恵美の言葉が耳に入らない様子で、ブツブツ言っている。 和子「すいません!! Uターンしてください! 家に帰ります!!」 恵美「どうして!? だって今夜は3人で……」 和子「運転手さん、急いで!!」 恵美「お母さん!?」 帰宅した和子は、パソコンに向かい、ホームページの更新にとりかかる。 掲示板には、道路工事開始を祝うメッセージが多数、寄せられている。 和子「こんなことで済まされてたまるか……! 有耶無耶にされてたまるか!」 居間では博之が、何本ものビール缶を空けている。 博之「恵美、わかってやりなさい。お母さんにとって大事なのは、達也が誰のせいで死んだのかってことなのさ」 恵美「大事!? じゃあ私たちは? 私たちはどうでもいいっていうの!?」 博之「恵美……」 恵美「お兄ちゃんはもう死んじゃったのに。お兄ちゃんが死んだのは、事故なのに…… 犯人なんて、いないのに。そうでしょ、お父さん!? おかしいよ! こんなの、おかしいよ!!」 博之「おかしいのはわかってるんだよ!!」 声を大きくした恵美に、博之も声を荒げ、ビール缶を握り潰す。 博之「わかってる……」 市役所の前に、和子と恵美が佇む。 1人の取材記者が出て来る。 記者「くそぉ、いねぇのかよ」 和子「すいません! あの、達也のことなんですが」 記者「それはまた、今度聞きますよ。おっ、帰って来た!」 車から広報部長が現れ、すかさず記者が駆け寄る。 和子「あっ、待って!」 記者「部長! 市長の愛人の件なんですけど」 部長「──」 記者「ちょっと、ねぇ!」 和子「あ、あの……」 記者「もうネタは上がってるんですよ!」 和子「息子の、達也のこと…… 聞いてください! 待って!」 市役所内に帰る部長を、記者が追い、和子は記者を追う。 恵美の隣に、一目連が並ぶ。 一目連「もうどこのマスコミも、お兄さんのことは取り上げちゃくれないよ」 恵美「石元さん……」 一目連「陸上部、辞めたんだって? どうして? これからは君ががんばって、お母さんを喜ばせてあげないと」 恵美「お母さんは、私ががんばっても喜ばない……」 一目連「えっ?」 恵美「今までだって、そうだった。大会でいくら優勝しても、お母さんは『おめでとう』すら言ってくれなかった。お母さんには、お兄ちゃんしかいないの。お兄ちゃんだけいればいいの。お母さんにとって家族は、お兄ちゃんだけなの」 一目連「恵美ちゃん……」 和子が市役所から現れ、泣き崩れる。 恵美「失礼します!」 恵美が駆け寄り、和子を必死に助け起こす。 茂木家の居間に、布包みがある。 恵美がそれを開くと、中身はあの、壊れた地蔵の頭。 恵美「ど、どうして、こんな物……!?」 和子が鞄を抱え、晴れやかな笑顔で現れる。 恵美「お母さん……?」 和子が鞄から、次々に札束を出す。 恵美「何これ? どうしたの!?」 和子「ホームページを見た人がね、達也の本を出してくれるって! このお金で作ってもらうの」 恵美「こんな大金…… 借りたの?」 和子「達也がどれほど素晴しい子だったか、日本中の人に知ってもらうのよ! 素敵でしょう~? 写真も一杯載せてもらうのぉ~!」 恵美「お母さん……」 和子「待っててねぇ~、た~つ~や~!」 和子が地蔵の頭を抱き、愛しい我が子のように頬ずりする。 その目はもはや、完全に正気ではない。 恵美の頭の中で、何かが壊れる。 恵美が自室で、藁人形を手にする。 あい「それはもう、あなたの物よ」 声に振り向くと、あいはすでに姿を消している。 あいの声「あとは、あなたが決めることよ」 夜。家事を放棄した和子に代り、恵美が夕食を作っている。 恵美は大音量のテレビの前で、テレビなど目に入らない様子で、地蔵の頭に頬ずりを続けている。 恵美「お母さん。テレビの音、下げて」 和子「達也……」 恵美「お母さん!」 博之が、酔っぱらった様子で帰宅して来る。 恵美「あっ、お父さん! ねぇ、お父さん。お母さんってば、あんなにお金借りてきちゃって……」 博之「金ぇ!? じゃあ、家でも売るかぁ?」 恵美「えっ?」 博之「足りなきゃ、お前が働け! 俺ぁもう、駄目だぁ」 恵美「何、言ってるのよ……?」 博之「嫌んなちゃったよ。お父さんも、何もかも、嫌んなちゃったよ……」 和子「た~つ~や~」 博之「た~つやぁ! アッハハハハ!」 恵美「やめてよ! お母さん、テレビ消して!」 和子「た~つや……」 恵美「お母さん!」 恵美がシチューをテーブルに置くが、苛立ったあまりに手が滑り、皿が床に落ちる。 床に広がってゆくシチュー、地蔵に頬ずりする母、酔っぱらって眠ってしまった父── どんどん壊れてゆく家庭の様子に、恵美が我慢できずに、自室に駆け込む。 恵美「がんばってきたのに…… 一生懸命、お母さんが喜ぶと思って、がんばったのに……」 達也の事故の直前に交した会話。 (恵美『また峠? お母さん、心配するよ』) (達也『だから行くんだよ。うちにいると、うるさいからさ。いちいちいちいち、あぁしろこうしろって。俺は母さんの人形じゃねぇっつうの! さっさといなくなってほしいよ。母さんがいなきゃ、家族はうまくいくのに』) (恵美『そんなこと言っちゃ、駄目だよ……』) (達也『恵美にはわからないさ』) 恵美「わかりたく……なかったよ……」 恵美が、藁人形の糸を解く。 「怨み、聞き届けたり──」 和子が気がつくと、三途の川、あいの漕ぐ木舟の上。 一目連も同乗している。 和子「ここは……?」 あい「地獄へ行くのよ」 和子「地獄……? 達也に逢えるの?」 一目連「いや。多分、逢えな──」 和子「嬉しい!! 達也に逢えるのね? 達也、今行くわよ!! アハハ、達也ぁ、達也ぁ~!! 達也、お母さんが行くからねぇ!!」 一目連「……」 あい「この怨み、地獄へ流します──」 和子「達也ぁ、達也ぁ~!! 達也ぁぁ~!!」 翌日の茂木家。和子に加え、博之の姿も無い。 「おかあさんをさがしにいってきます 父」との置き手紙が残されている。 恵美「フフッ。変なの。み──んな、揃ってるのに。ねぇ?」 恵美が1人、食卓につく。胸元には地獄流しの証。 テーブルに一家4人の写真が飾られ、4人分の食事が並べられている。 恵美は笑顔で、声も明るい。 しかし、心なしか、眼差しは正気を失っているようにも見える…… 恵美「いただきま──す!」 (続く)
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/281.html
陸奥国 若松 郭外 四軒(しけん)丁 大日本地誌大系第30巻 186コマ目 同心町、滝沢町、蚕養口、中村 ※国立国会図書館・万翠堂版新編会津風土記より 持筒町の北に並び、長1町余・幅9尺、家数11軒。 (八角分・蚕養宮村の地雑れり) 同心(どうしん)町 持筒町より南に折れ行人町の末に通す。 長2町11間・幅3間余、家数66軒。 (八角分・蚕養宮村の地雑れり) 滝沢(たきざは)町 蚕養宮村・八角分の民居にて、東に続き長町30間、家数64軒。 皆商売の居処なり。 町中にて滝沢組牛墓村に界ふ。 綿掛沢(わたかけさわ)といい橋を架す。長4間・幅2間5尺、勾欄あり。 (八角分・蚕養宮村の地雑れり) 寺院 南岳院 本山派の修験なり。 世系の初を詳にせず。 慶長の頃(1596年~1615年)秀譽という者初て大先達の号を下し賜り、会津四郡本山流の修験これに隷す。 相続て8世の今の元敬に至る。 元は田島組田島村にあり、後当麻丁に移り明和5年(1768年)に今の地に移るという。 古文書1通あり。如左(※略)。 蚕養口(こがひくち) 東黒川の民居にて持筒町よりここに折れていく通なり。 長2町20間余・幅3間、家数26軒。 (蚕養宮村・八角分・千石町分の民居雑れり) 蚕養國神社 この通の東頬にあり(蚕養宮村の条下に出す) →蚕養國神社 中村(なかむら) 東黒川八角分の民居にて、同心町より東に折れ北に廻りて滝沢町に出る小路なり。 家数9軒。 また同心町の西に小路あり。家数4軒、西中村という(蚕養宮村の地なり)。 地蔵堂 東の小路の中にあり(八角分の条下に出す)。
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/462.html
住んでいたアパートを出なければいけなくなった。 荷造りをしながらこの部屋であった出来事を思い出す。 そういえば、階段を元気に駆け上るあの足音が聞こえなくなってからどれくらい経つんだろう。 毎度毎度お構いなしに勝手に上がり込んできては、俺を不思議な時間へと誘ってゆくのだ。 ロボットと俺だけの静かな隠れ家は、春の風のように舞って去っていったあのコによって暖かな空間に 生まれ変わったような気がした。 あの日床に置かれたままのコーヒーを何も考えずに水に流した。その時のあのコの気持ちも考えずに。 流れていった時間ももう二度と戻ることはない。 もう、会えないんだろうか。 初めて友情の枷となる年齢の幅の厚さについて考えた。 『もうすぐここには居なくなるよ』 その一言が、長い間繋がることのなかったアドレスには送ることが躊躇われて未送信のまま今も残る。 思い切って家の近所まで足を延ばしてみれば、もうそこは何もないという。 もうあの窓から俺の名を呼んで貰える事は無いのだ。 二人を繋いだ地蔵堂は跡形も無くなり、全てが神様が見せた夢だったのかとさえ思った。 でも、俺の鞄の中、窮屈そうに揺れている青い勇気の印がある限り、この夢は終わらないと信じてる。 外回りのついでに久しぶりに来たこの町で、ふと足を向けてみる。 あの路地裏はどうなっているんだろう? あの日、全てが始まった場所。 「マックス~。俺達の記念すべき出会いの場所だぞ。覚えてるよなぁ?」 そしてあのコとの。 あの曲がり角を曲がったら、新しい世界はまた俺の前に開けるのだろうか? またあの弾んだ足音が俺の耳に届く日々が戻ってくるのだろうか? 「~~♪マーックス!だだんだんだー……♪♪」 ニコ、お前耳がいいんだろう? きっと聞き取って、そして俺を呼んで。 不思議な七色の音色を響かせて。 *** 5-170様 ハミングが聞こえる へ…?
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/180.html
陸奥国 会津郡 熨斗戸組 塩原(しほのはら)村 大日本地誌大系第31巻 117コマ目 府城の西南に当り行程19里。 家数17軒、東西1町30間・南北2町10間。 山間に住し西に立岩川あり。 東2里古町組多々石村の山に界ふ。 西13町介木生村の山に界ふ。 南7町福渡村の界に至る。その村まで17町。 北18町穴原村の山に界ふ。 また未(南南西)の方11町、前沢村に界ひ立岩川を限りとす。その村まで12町。 戌亥(北西)の方8町田瀬村の界に至る。その村まで11町。 山川 真那板倉山 村東2町にあり。 頂まで30町。 熨斗戸・福渡両村と峯を界ふ。 立岩川 村西にあり。 福渡村の境内より来り、宮沢(みやさわ)を得て北に流るること18町、田瀬村の界に入る。 関梁 大巻橋(おほまきはし) 村西立岩川に架す。 長15間。 丸木橋、隣村の通路なり。 神社 鹿島神社 祭神 鹿島神? 八王子神 鎮座 不明 村西にあり。 鳥居拝殿あり。井桁村阿久津和泉これを司る。 熊野宮 祭神 熊野宮? 勧請 不明 村西2町にあり。 鳥居あり。阿久津和泉が司なり。 三島宮 祭神 三島神? 勧請 不明 村北にあり。 鳥居あり。村民の持なり。 伊勢宮 祭神 伊勢宮? 鎮座 不明 村南4町余にあり。 村民の持なり。 寺院 泉光寺 村中にあり。 浄土真宗高田派千楽山と號す。 一身田専修寺の末山なり。開基の年月詳ならず。 弘治元年(1555年)源流と云う僧中興すと云う。 客殿 7間半に6間、西に向ふ。 本尊弥陀を安ず。 寶物 弥陀畵像 1幅。筆者を知らず。古物なり 銅鉢 1口。径8寸『康永癸未年五月泉光寺』と彫付あり(康永5年=1343年)。 観音堂 客殿の東にあり 地蔵堂 客殿の南にあり。 草創の年代詳ならず。 旧村東にあり。 延寶中(1673年~1681年)ここに移せり。 Google Map真那板倉山 鹿島神社 泉光寺
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/158.html
陸奥国 会津郡 高野組 福米沢(ふくめさは)村 大日本地誌大系第31巻 110コマ目 昔は大鹿原(おほしかはら)と云いしが、居民貧窮(ひんきゅう)を苦み、寛永8年(1631年)今の名に改めしと云う。この村の農民の家に『奥州南山大鹿原村田中権現敬白明應三甲匀大旦那頼家』と彫付(えりつけ)し小き鰐口あり。 府城の南に当り行程11里。 家数14軒、東西1町30間・南北1町。 北は山に倚り三方田圃(たんぼ)なり。 東3町上塩沢村の界に至る。その村まで4町。 西6町30間金井沢村に隣りその村際を界とす。 南4町計田島組永田村の山に界ふ。 北2里計大沼郡野尻組大芦村の山に界ふ。 小名 下村(しもむら) 本村の東1町にあり。 家数19軒、東西30間・南北40間。 北は山に倚り三方田圃なり。 山川 帯沢山(おひさはやま) 村北20町にあり。 登ること13町計。 本村及び金井沢、上・下塩沢4ヶ村入逢の山にて、北の方大芦村の山に続く。 檜沢川 村南1町にあり。 金井沢村の境内より来り、東に流るること18町計、上塩沢村の界に入る。 神社 雷神社 祭神 八色雷神(やくさのいかずちがみ) 鎮座 不明 村北2町にあり。 鳥居拝殿あり。常楽院司なり。 寺院 常楽院 村北2町にあり。 山號を鹿澤山という。河島組糸沢村龍福寺の末寺真言宗なり。 永正16年(1519年)海順という僧開基すという。 客殿に不動を安し本尊とす。 昔村西1町計に阿弥陀堂あり、天正中(1573年~1593年)廃して本尊をこの寺に納む。 鰐口1口あり。銘に『永□□年二月十七日願主敬白』とあり。 鐘樓 境内にあり。 鐘の径2尺5寸『明和五子年五月大吉日』と彫付けあり。 ※明和5年戊子=1768年 地蔵堂 境内にあり。 観音堂 村西6町30間にあり。 創建の年代詳ならず。 田島村薬師寺司なり。 Google Map雷電神社 常楽院
https://w.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/1068.html
Top 三題噺 「猫」、「琵琶湖」、「ありがとうございます」 271 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 31 59 ID aDdBHlDb [1/2] 書いてみました 「猫・琵琶湖・ありがとうございます」 嘉永3年というから、1850年ごろのことである。 現在の福岡県にあたる黒田藩は大江町のあたりを、何やら思いつめた面持ちで歩く侍が一人。 名を石久部園斎という、身の丈六尺あまりの偉丈夫である。 この男、近ごろ藩主黒田長元の命を受け御様御用、いわゆる首切り役人に任ぜられることに なっていた。園斎は柳生の名手であり、首切り役人ということで地位こそ高くはなかったが、 一人首を切るごとに半両の手当てが出るという。元は貧乏侍の出自である園斎にとっては文句 のつけようもない待遇である。 しかし、園斎は腕こそ確かであったものの、齢五十に至るまで未だ人を切ったことがなく、い ざお役目という段になって仕損じては如何にしたものか、と、このところそのことばかりを考 えていた。 その右手には風呂敷包みを提げており、先刻から、それがもぞもぞと動いている。 園斎は家に戻ると、家人の誰も入らぬように言いつけて、畳を敷いて道場のようにしている 土蔵へと閉じこもってしまった。そこには擦り切れた藁の座布団が一つ。園斎はそこに腰掛 けると、風呂敷包みを静かに置いて結びをほどく。 三毛猫である。近くの地蔵堂の中で眠っていたものを連れてきたのだが、風呂敷の中が存外 に居心地が良かったものか、丸まったまま眠っている。園斎はそれを静かに見下ろし、すう っと右腕を脇差に添えた。 園斎はこの猫を斬るつもりであった。彼とてもそのような所業を躊躇わぬでもなかったが、 それ以上に、役目を前にして手が損なうことが恐ろしく、また、失敗を恐れる自分自身の 弱さが腹立たしかった。 静かに眼を瞑り、猫の息遣いを嗅ぐ。どのように刀を抜き、どのように打ち据えるかを考 えた。猫が急に動いたならばどうするか、刀が畳に食い込まぬためにはどう打てばよいか。 そのような事柄が浮かんでは消え、やがて喝と目を見開いて刀を抜かんとしたならば。 272 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 33 27 ID aDdBHlDb [2/2] どうしたことか、周囲は白く霞んでいた。 さしわたし十間もない土蔵は壁も見えず、畳の目も分からず、あたりには綿のように濃い霧 が漂っている。さしも偉丈夫も恐れおののき、ゆらゆらとたゆたう霧の海を見渡すしかな かった。 よくよく見れば、霧の下は水のようだった。朝もやにけぶる琵琶湖のごとき場所である。 冷やりとした空気が満ちており、わずかに耳に届く水の音。藁の座布団の一枚下は底なし の淵となっていた。 ふと視線を前に戻せば、風呂敷の上に寝そべった猫が、頭だけをもたげて園斎を見ている。 その目は赤々と妖しく光り、わずかに見上げるその顔は、怒りとも悲哀ともつかぬ曖昧な 面持ちで、だが少なくとも目の前の侍を恐れてはいなかった。その顔からは何も読み取る ことができず、それゆえにあらゆるものが詰まっていた。 どれほどそうしていただろうか。やがて園斎は完全に色を失い、刀から手を離した。 瞬間霧は引いてゆき、土蔵の壁がどこかからやってきたかのように視界に現れ、瞬く 間にそこは畳敷きの間に戻っていた。 園斎は唇を震わせながら立ち上がり、ゆっくりと歩いて土蔵の扉を開け、自分は横に それて、どうぞ先へ行ってくれ、というような手振りをした。 すると三毛猫は二本の足で立ち上がり、ひょこひょこと、どこか滑稽さすら感じさせ る動きで土蔵を出て行く。 そのきわに園斎を見上げ。 ありがとうございます、と明瞭に言った。 園斎はふすまのように蒼白になり、肝を潰してその場にへたり込んだという。 後にこれは久留米の化け猫が流れてきたものではないかと語られ、今でも園斎の屋敷 跡には、化け猫を鎮める小さな祠が立っているという。 名前 コメント ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/sexyvoice/pages/348.html
2-249様 お仕置き の続き 私は今大勢の人を前にしてロボと二人並んで座っていた。 そう、今日は私とロボの結婚式の日。 私は学生だし、それにロボの稼ぎではとても披露宴なんかできるわけない。 それに、そもそも二人ともそんなことには興味がなかったので籍だけ入れるつもりだった。 しかし、ロボのお母さんが 「ニコちゃんみたいな素敵な娘を嫁に貰うのに何もしないのは須藤家の恥。」 と言って急遽式をあげることになった。 結婚を決意して僅か三ヶ月後に式を挙げることが出来たのは地蔵堂の社長のお陰だった。 しかも格安料金で。 ========================================================= 「え?なんだって?披露宴に俺達を?バカも休み休み言えよぉ。」 とよっちゃんが大声を出した。 「こっちは真剣です。お二人に是非出席して欲しいとニコと話したんです。」 「おいおい、俺の形(なり)をちゃんと見ろよ。これが披露宴に参加できる形(なり)か?ね、社長。」 「そうねぇ、悪いんだけど私たちは遠慮させていただくわ。」 「え?そうなんですかぁ…。ニコ、仕方ないか。」 「うん、仕方ないね。でも、お二人には感謝しているんです。私たちがこうなったのはお二人のお陰と 思っているんです。」 「あらそうなの?その坊やが感謝するのは分かるんだけど…。あなたにとってはどうだったんだか…。ねぇ?」 と社長は意味深なことを言った。 私とロボは「はぁ?」と言いながら社長の顔を見た。 「で、お前らいつ結婚すんの?」 「あ、まだそれは決めてないです。式場もこれから探すんで…。」とロボが返答した。 「え?お前らまだ決めてねぇのに招待しに来たの!?」 「あ、だから報告を兼ねて、そのぉ…。」と私。 「お前らと来たら後先が逆だろが。」 「いいわよ、よっちゃん。それもなんだかこの二人らしいじゃないの。」 社長は薄ら笑いを浮かべて私たちを見て続けた。 「披露宴には出席できないけど式場探しには力になれてよ。」 私は何故か嫌な予感がした。 ======================================================== そんなこんなで慌ただしく結婚式を挙げることになった。 朝に神前で式を挙げ今私はウエディングドレスで高砂に座っている。 ロボの紋付き袴姿は結構様になっていて『意外に格好いいんだ。』と私は思った。 そして今ロボはタキシード姿で横に座っている。 ロボのタキシード姿も様になっているけど…。鼻の下を伸ばしてさえなければ…。 「ちょっと!そんなに鼻の下のばしてニタニタしないでよ!」 「だってさぁ、まさか俺が結婚できるとは思わなかったからさぁ。やっぱ嬉しいわけよ。」 「何言ってんのよ。一応ビデオ撮っているんだからね。ちゃんとしてよ。」 「はい、はい。でも嬉しくて、嬉しくて。ニコと結婚できるなんて…。」とロボは泣いた。 「だから泣くなっちゅうの! そういえばさぁ。昔失礼なことを言ってくれたわよね。『え?結婚でき…、するの?』って。」 「え?そんなこと言ったぁ?」 「言った。公園で。幸子の話をした時。」 「あ~、あの時ね。いやぁあの時はまだニコ子供だったから、なんかイメージできなくて…。」 「ま、別にいいわよ。ちょんとこうして結婚できたんだから。まさかその横にロボがいるとは思わなかったけど。」 「おっ、言ってくれるじゃないの。『結婚して』って言ったのニコの方からじゃないですかぁ?」 「知らない!」 ロボは吹き出して「でもさ、やっぱ嬉しいわけよ。ニコと結婚できて。」 ロボのキラキラ光った目を見て私も笑った。 そう、あの頃、二人が出合った時、二人が将来こうなるとを一体誰が予想できただろう。 ロボと出会った頃、私はまだ子供でロボを男性と言うよりは信頼できる大人として見ていた。 そもそも私は恋愛というものに興味がなかったし、どうでもいいと思っていた。 恐らくそれは一海ちゃんのせいだと思う…。 ロボも私のことを友達程度にしか思っていなかったようだったし。 様々な事件を通して憧憬の念みたいのは持つようにはなったけど、それが恋愛感情だったか どうかは分からない。 でも、再会した昭子さんは私たちはこうなる運命だと言っていた。う~ん…。 ということは、全く気が付いてなかったのは当の本人達だったってこと? 『なんだか複雑だわ。』 ======================================================= 「ニコ!まだ大学生じゃないの!しかもあの人とでしょ。なんで?音な…。」 むーちゃんは私の厳しい顔を見て言葉を呑んだ。 そして慌てて言葉を取り繕った。 「ま、でもニコが選んだ人なんだからきっと良い人なんだよね。優しそうな人というのは分かる。 ごめんね。もう変なこと言わない。」 「うん、きっとね。きっと私にしか彼の良さは分からないと思う。」 私は人が気が付かないものを見付けた時のような誇らしさを感じてた。 むーちゃんは「なに、惚気てるのよぉ。」と言って笑った。 ======================================================= ロボの良さ。それは上手く言えないけど「打算や計算のない純真さ」だと私は思っている。 そして、それはどんな時もブレたりしない。 恋愛の「れ」の字も知らない時期にロボに出会ったからロボの良さを自然と理解し受け入れることが 出来たんだと思う。 それには地蔵堂も大きく関わっている。 様々な事件を通して、ロボの男性として頼れる部分も知った。喧嘩は弱いけど…。 もし二人の出会いがもう少し後だったら、地蔵堂と関わらなければ、私はロボの良さを知ることは なかっただろう。 いや、知ろうとしなかっただろう。むーちゃんと同じような反応を示したと思う。 言ってみれば、私はいいように手懐けられた猫みたいなもの。 勿論、ロボに私を手懐けようなんていう意図は全くなかった。 あの時、ロボが私の電話を取ったのが私の運の尽きだったのかもしれない。 昔お父さんが言っていた。 「誰かが幸せになっているということは、どこかで誰かが不幸になっている。」 ロボにとって、私との結婚は幸運なことで幸せなことだと思う。多分…。 端から見れば間違いなく幸運。絶対そうだ! ということは、私は不幸なのだろうか?不運だったの? でも今は幸福感に包まれている。幸せを噛みしめている。 『幸運と不運、幸せと不幸って一体何なんだろう?』 そんなことを漠然と考えている間も式は滞りなく進んだ。 そして私はお色直しのため式場スタッフに導かれながら会場を出て着替え室に向かっていた。 「キャンドルサービスの時ね。」 不意に私の耳に入ってきた。 私は立ち止まって振り向くと上品な顔立ちの女性が険しい顔でお腹に手を当てながら小声で話していた。 「サッちゃん、ごめんね。あなたに会うことができないの。あの人を刺したら私も…。」 とその女性は言いながら私の式場の向かいにある会場に入っていった。 顔立ちや腕足を見る限り痩せている感じだったけど体型の分からない服を着ていた。 『妊婦さんだから?あの人これから人を殺す気なの?』 と考えていると私を呼ぶスタッフの声がした。 「須藤さん、どうしたんです?こちらです。」 私はその女性のことが気になりながらもスタッフの後に従った。 着替え室の鏡の前で漠然と私はあの女性のことを考えていた。 そして 「やっぱり嫌だ!見過ごすことなんって出来ない!」 と言い私は自分の化粧バックの中を引っ繰り返しながら探した。 程なくして目的の物は見付かった。 それは5mm角程度の物で以前ロボが「ニコの能力を最大限に活用できるグッズ。」と言って渡してくれた物。 小型のマイクとスピーカーだった。 私はそれらを持って、あの女性がいる会場へウエディングドレス姿のまま向かった。 自分の結婚式の時に殺人事件が起きたら困るとも考えた。 しかし、それ以上に私には気になることがあった。 「もし、『サッちゃん』が『サチコ』だったら、なんか嫌だ。」 どんな事情があるか分からない。とても不幸な事情なのかもしれない。 私がしようとしていることはあの人を更に不幸にすることかもしれない。 自己満足で我が儘なのかもしれない。 でも生まれてくる命が消えてしまうのは耐えられない。 知ってしまった以上、私を止めることは誰にも出来ない。 『サッちゃんを救えるのは宇宙で私だけ!』 ロボは写真撮影のため写真館に来ていた。 式場スタッフから花嫁が居なくなった報告を受けたがロボは一瞬驚いただけで直ぐに頷きながら黙って座った。カメラマンと式場スタッフは結婚式当日に花嫁に逃げられた哀れな男を見るような目でロボを見ていた。 そんな彼らに対してロボは言い出した。 「大丈夫ですよ。ニコのことだから何か気になったことがあったんでしょう。直ぐに来ますよ。 スミマセンがこのまま少し待っていただけますか。 彼女の気の済むようにさせてあげたいので。」 その頃、私はあの女性が入っていった会場の扉の前に居た。 「あ~恥ずかしい。」 私は自分が考えた計画を実行することに多少の恥ずかしさを感じていた。。 「でも、やるしかない!」と言って勢いよく扉を開けた。 予期せぬ見知らぬウエディングドレス姿の女性の登場で会場は唖然とした。 私は気が付かないふりをして高砂に向かい、途中ハッと口に手を当て可愛い女性の声で大きく言った。 「あ!間違えちゃったぁ。」 会場はドッと笑い声で一杯になった。 『恥ずかしいぃ。』 私はサッと会場内を見回しあの女性が座っている場所を確認した。 彼女は後ろの出口近くの席に座っていた。 『好都合だわ。』 足早に出口に向い彼女の後ろを通る時躓いたふりをして、テーブルの隅に小型マイクとスピーカーを 貼り付けた。 私は会場を出ると直ぐにもう一つのマイクに向かって幼い娘の声で話し出した。 「お母さん。」 「え!?」 「未来のお母さん。」 「え!?サッ、サッちゃんなの?」 「そうよ。お母さん。」 私は続けた。 「もう直ぐ会えるね。私、お母さんに会うの楽しみにしてるの。」 「サッちゃん…。サチコちゃん!」 やっはり『サチコ』ちゃんだった。 「私が生まれてお母さん大変になるだろうけど、サチコ良い子でいるから。だから頑張って。 お母さんに会えるのが嬉しいの。早く会いたい。」 「うん、サッちゃん、分かったわ。分かったわ…。お母さん頑張るから…。」 彼女はお腹に手を当てながら静かに泣いた。 顔からは先程までの険しさは消えていた。 「これで、よし!」 私は急いで着替え室に向かった。 衣装を替え写真館に行くとカメラマンは安堵の顔を浮かべた。 ロボは微笑んでいた。その顔から私を信じて待っていたことが窺い知れた。 「ロボ、ありがとう。」 「当然でしょ。ニコがいなくなるはずないじゃん。」 「ううん、それだけじゃないの。」 「え?なんのこと?」 「ロボのお陰で三人の命が救われたの。私の心も。あとで話すわ。」 と言って私はクスッと笑うとロボもニコッと笑った。 「なんか分からないけど、ニコが喜んでいるんだったらそれでいいや。」 撮影のポーズは二人がダンスを踊っているところを想定したものだった。 私は左手をロボの右肩に載せ、右手はロボの左手を握って前に突き出し、 ロボの右手は私の腰を支え、私はそこを軸に上体を反らしてロボと見つめ合った。 「なんか照れるね。」とロボは照れ笑いを浮かべた。 私は堪らなくなり手を解きロボの首に両腕を回し爪先立ちになってキスをした。 ロボは自然と私の腰に両腕を回し私を抱きかかえ私たちは長い口付けを交わした。 「あ、ちょっと動かな…。」 カメラマンは困った顔をしていたけど直ぐにエアーレリーズのゴム球を押した。 パシャ! 「お幸せに。」 ======================================================== 「社長、上手く行きましたかね?」 「きっと大丈夫よ。あの二人だったら任務を遂行するはずよ。」 「それにしても流石ッスね、社長。 あの女の計画を知って、それをあいつ等に阻止させるためにあの式場を予約するなんて。 プロフェッショナルだなぁ。」 「だってぇ、孫娘の顔を見たいというお父様の願いを叶えてあげたいじゃないのぉ。」 社長は不敵な笑いを浮かべ煙草を吸った。 ======================================================== 長いキスの後、私はロボから少し顔を離しロボに囁いた。 「ね、ロボ。私。私ね。幸子に。幸子に早く会いたい。」 ロボは優しく微笑んで頷いた。 幸運・不運とあるけど、今は不幸でも将来それが幸せに転じることもある。 逆に今は幸せでも不幸になることもあるだろう。 大切なのはこれから自分がどの様に生きようとするかなのかもしれない。 あの時ロボが私の電話を取らなければ、今の幸せはなかっただろう。 でも今そう思えるのは私たちは出会ってから共に行動し苦楽を分かち合ったから。 私が生きてきた時間の多くはロボと共にあった。 会わなかった3年間も心の何処かに常にその存在はあった。 次にロボに会う時に恥ずかしくない女になろうと努力していた。 再会してからも様々なことで絆を深め合ったけど、それと同じくらい別れの危機もあった。 それら全てを乗り越え今こうして二人は永遠の愛を誓っている。 これから先も何が起こるか分からない。 私たちの関係がどうなるのか分からない。 それでもお互いを想い合う心さえあれば乗り越えられると信じてる。 近い将来あなたに会うことになると思う。 あなたに会うことで私たちの絆は更に深くなると思う。 それまで私たちを見守って下さい。 そして、あなたに会うのを楽しみにしてます。 幸子。 完 2-354様 奇跡の服 へ続く
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/863.html
陸奥国 耶麻郡 川西組 下堂観(けたうくわん)村 大日本地誌大系第32巻 19コマ目 府城の東北に当り行程5里。 家数30軒、東西2町46間・南北1町18間。 四方田畠なり。 東5町40間西館村の界に至る。その村まで14町。 西1町40間余百目貫村の界に至る。その村まで3町余。 南1町44間廻谷地村の界に至る。その村まで6町20間余。 北2町28軒谷地村の界に至る。その村まで3町30間余。 また寅(東北東)の方1町58間北高野村の界に至る。その村まで5町余。 小名 打越(うちこし) 本村の東1町10間にあり。 家数13軒、東西1町8間・南北44間。 四方田圃(たんぼ)なり。 寛政2年(1790年)越後国打越村より来り、廃田をおこし民居を搆ふ。 山川 小黒川 谷地村の界より来り、南に流るること19町40間蜂屋布村の境内に入る。 広5間。 神社 日光神社 祭神 二荒山神 相殿 伊勢宮 山神 鎮座 不明 村中にあり。 二荒山神を祭れり(下同)。 鳥居あり。小平潟村佐瀬主殿これを司る。 寺院 安養寺 村中にあり。 本寺村恵日寺の末山真言宗なり。山號を關室山という。開基の初詳ならず。 昔は神野寺(猪苗代城下の条下にあり)の末山なりしという。 本尊弥陀客殿に安ず。長8尺、春日作という。 地蔵堂 境内にあり。 下堂観村は今の千里小学校の北側付近が該当するかと。 Google Map打越地区 二荒山神社 安養寺 伊夜日子神社(打越) 余談。 打越地区に伊夜日子神社(伊夜彦神社)があるのは面白いですね。伊夜彦神社は会津地方では大沼郡滝谷組に多く見られ、本社は新潟の西蒲原郡にある彌彦神社です。以前(ツイッターだったかな?)伊夜彦神社の多くが只見川の支流にある事から、滝谷組の村々は新潟の文化圏の影響を受けていると書いた事があります。風土記に打越は新潟から移住してきた方々が開いたとあり、村を起こした方々は猪苗代近隣で祭られていた神ではなく地元の神を崇めたかったのでしょう。
https://w.atwiki.jp/aizufudoki/pages/927.html
陸奥国 耶麻郡 小沼組 上川前(かみかはまへ)村 大日本地誌大系第32巻 57コマ目 この村旧大塩村の端村なり。寛文中(1661年~1673年)分て1村とす。故に大塩村と山川・田畠相雑て地界なし。この村大谷川の前に当て川上にあり。故に名く。 府城の北に当り行程6里。 家数22軒、東西2町5間・南北3町。 南は田圃(たんぼ)にて三方に山繞(めぐ)れり。 東北共に大塩村に隣り、その村は辰巳(南東)に当り18町。 西7町・南5町、共に下川前村の界に至る。その村は南に当り6町。 山川 大塩川 村の辰巳(南東)の方10町にあり。 大塩村の方より来り、未申(南西)の方は斜に流れ樟村の界に入る。大塩村と界を雑え町数詳ならず。 大谷川(おほたにかわ) 村より丑(北北東)の方、高曽祢山より出て渓水に落合、山間1里30町を経て村西をすぎ下川前村の方に注ぐ。 広2間余。 留沼 村北15町にあり。 周130間余。 関梁 大橋 村東6町20間にあり。 長8間・幅9尺、大塩川に架す。 隣村に通る経路なり。 神社 山神社 祭神 山神? 相殿 伊勢宮 稲荷神 熊野宮 草創 不明 村北2町40間余にあり。 鳥居拝殿あり。高柳村山本源之進これを司る。 寺院 巖松寺 村より丑寅(北東)の方1町30間にあり。 開基の年月詳ならず。永正中(1504年~1521年)僧盛源中興す時に寺院の號なく、ただ住僧の名を以て称せり。 慶安中(1648年~1652年)宥意という僧高野山に登り真言の密法を受来て、川西組本寺村恵日寺の末山となり小岩山巖松寺と號す。 本尊弥陀客殿に安ず。 地蔵堂 境内にあり。 Google Map上川前地区 大山祇神社Google地図を見ると「大山祗神社·伊勢宮·熊野神社·稲荷神社」と書かれていますが、社前の碑は「大山祇神社」です。 巌松寺 水神宮マーク位置よりやや南東、小さい滝のような水路の上に鳥居と石祠あり。